八月度領収書失踪事件
「クソッ!手がかりはないのか…」
山本は拳でデスクを叩いた。
八月度領収書の相次ぐ失踪――。
何としてでも経費精算日までに失踪した領収書を見つけ出さなくてならない。
数日前に目撃情報のあった財布周辺の捜索から始め、通勤鞄、会社のデスク周りまで範囲を広げ、シラミ潰しに探していった。
「この事件が明るみに出る前になんとかカタをつけなくては…」
山本は追い詰められていた。
―――
…8月の経費精算に領収書を紛失した。
困ったな。
飛行機や新幹線絡みの高額交通費はないけど、1枚、絶対になくしたらいかんやつを無くしている。
あーあー、
「あなたがなくしたのは、この10万円の領収書ですか。それともこちらの5万円の領収書ですか」
いいえ、私がなくしたのは1万円の領収書です…。
牧歌的なハードボイルド
黒川博行をよみました。
馳星周にはまって一時期よく読んでいたので、黒川博行もおもしろいかと思って。
本に詳しい人からしたら、「全然ちがう!」という話だと思うんだけども…
正直、「ハードボイルド」と「ノアール」の区別がつかない私には、「ヤクザが出てくるやつやね」ということで、それで読んでみたわけです。
実は、『破門』の前に、短編集『左手首』を読んで、「そんなにおもしろくないな…」と感じたわけです。
でも、短編だけで判断するのもアレかと思って、もう一冊、「直木賞受賞作ならおもしろいにちがいない!」と読んでみたら本当におもしろかったです。
『左手首』だけで判断せんでよかったわ。
黒川博行は、登場人物のくだらなくて笑えるやりとりとかが挟み込まれていて、「ゆるゆる読める娯楽小説」。
しかも、人がそんなに死なないし、グロイ描写も少ないし、ある意味、牧歌的な雰囲気で「市井のヤクザ」っていうか。(なんじゃそりゃ)
スケールが大きくてハラハラドキドキするのは馳星周だけど、ゆるゆる楽しく読めるのは黒川博行。
『破門』はシリーズものだそうなので、他のもよもうかな。
腑に落ちるとは
松本清張『点と線』
- 作者: 松本清張,風間完
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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松本清張、読みまくりである。
「『砂の器』の方が面白かったな…」と思って読んだら、最後に松本清張記念館館長人の「解題」で、
「刊行時、松本清張はあまり満足していなかったようだ。「あとがき」に「少々後味が悪い」とまで書いている。その理由は、「動機」を重視することを主張している自分が謎解きの方にウエイトをかけ過ぎたというものである」
と書いてあった。
ナルホドー
私にはこれが一番「繋がった…!」と思った。
松本清張の醍醐味は「動機」なんだね。
普段、こういう巻末の「あとがき」とか「解説」は読まないけど、読んで良かった。
読書って、こういうことか。笑
シャンプーが安い
イオンのPB、「トップバリュ」のシャンプーが安い。
「シルクプロテイン配合(保湿成分)シャンプー つめかえ用」320ml/98円
98円!
「イトーヨーカ堂も案外そんなもん?」と思って調べたら、
「地肌までここちよく洗うシャンプー 詰替」400ml/230円
230円て、かなりお値打ち価格だけど、98円の後だから「まあ、こんなもんか」という気になってしまう。
でも、セブン&アイのPB「セブンプレミアム」で、"プレミアム"とかいってて98円だとちょっと引くから230円は妥当だと思う。
西友は、
「きほんのき シャンプーつめかえ」320ml/97円
イオンと同じだけ入って、さらに1円安い。
注目すべきは、セブン&アイが「地肌まで心地よく洗う」、イオンが「シルクプロテイン配合」を商品名にまで入れて訴求していること。
西友もパッケージに「コラーゲン配合」と書いてあった。
こんなに安いのに、一応「なんか良さげ」!
というか、トップバリュ、シャンプー多くないか?
この、「シルクプロテイン配合」のがおそらく最もベーシックな商品で、他にもトップバリュの「ノンシリコン」「白髪ケア」「トニック」「薬用」「リンスイン」…等々…。
洗髪ブラシまでトップバリュのあるし。
イオンのお客さんがみんなシャンプー、イオンで買うわけじゃなかろうに。
ましてや、イオンでシャンプー買う人だって、トップバリュ以外のメーカー商品を買う人が多いんだろうに。
それでもこんなに品揃えがある…。
何ていっていいかわからない。
とにかく、シャンプーが安いという気付きでした。
素朴系ローカル菓子「蜂蜜ふらい」
- 出版社/メーカー: 松崎製菓
- メディア: その他
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私と「蜂蜜ふらい」との出会いは「ウェルネス ビンズせん」である。
山陰のドラッグストア ウェルネスでは、この蜂蜜ふらいの容量ちがいを「ウェルネス ビンズせん」として売っている。(同じ松崎製菓から出ている)
山陰の人以外にはわからないことだらけだと思う。
ローカルすぎる…。(でも続ける)
「蜂蜜ふらい」が130gで、「ウェルネス ビンズせん」が80gぐらい。
なんかもしかしたら、成分とか多少違うのかも知れないけど、私にはよくわからない。
まあ、ほぼ同じ。
今日、「蜂蜜ふらい」の裏をふとみたら、
「探検!発見!しまねけん!」(←韻を踏んでいる)と題して、島根の観光スポットを紹介していた。
今まで気付かなかった。
でも、この日御碕神社、なんと「その⑰」…つまり、私がこれまで見逃していたのにも、島根ステキスポットが書いてあったってこと。
どうでもいいっちゃあどうでもいいことだけど、①~⑯が気になる!
そして、目を袋の右に移すとバーコードの下に
「松崎製菓」「検索」とある。
これまでの「探検!発見!しまねけん!」が読めるのかも?と思って検索した。
そこにはなんと衝撃の事実が。
公式サイトが出てこない。
え?
松崎製菓のサイトか、公式通販サイトでも出てくるかと思ったら、そういう類いのものは出てこない。
なぜ検索させたし。
と、まあ、こういうゆるすぎるところもローカル菓子の魅力である。
ゴリゴリとした硬い食感の甘口のせんべい生地(っていうかクッキーみたいな味)に、ソラマメ(俗に言うフライビンズ的なやつ)が「かなりの量」埋め込まれていて、普通においしい。
想定内の味なんだけど、そこが魅力。
ゴリゴリと噛むことは、きっとストレスにさらされて、日々戦ってる現代の大人の健康にいいよ。(テキトーすぎる!)
みんな食べよう、「蜂蜜ふらい」。
怖くないし、難しくない
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/03
- メディア: 文庫
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お恥ずかしながら、私はあまり本を読まない。
だからアラサーなのに松本清張を1冊も読んだことがなくて、今回初めて読んだ。
あれだな、
読みやすいんだな、松本清張。
みんな読んでるわけだ。
怖かったり、難しかったりしたら嫌だと思って読まなかったけど(同じ理由で、横溝正史もわりと最近初めて読んだ。)、なんだ、難しくないし、怖くないじゃないか。
アホの私にも、「犯人、こいつなんやろ」というのを少しずつわかるように、飽きさせずに書いてあって、本当にありがたい。
さて、表紙のおっさんがこわい『張込み』も読むかな。
亀嵩が遠い
松本清張『砂の器(上)』の作中、登場人物が東京から島根県の亀嵩に行くシーンがある。
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/03
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――二十二時三十分発である。
(略)
「向こうには何時ごろ着きますの?」
(略)
「明日の夜、八時ごろだろうな」
「まあ、二十時間以上ね。ずいぶん遠いのね」――
22:30発→翌20:00着
ええっ…
昔はずいぶん大変だったんだなあと思って、東京から亀嵩までを乗り換え検索してみた。
22:30発だと、羽田→出雲の飛行機も東京→岡山の新幹線も終わっているので、名古屋まで夜行列車で行って、名古屋から岡山まで新幹線、岡山→宍道→亀嵩で、なんだかんだで、亀嵩に翌12:38着
約13時間半
……。
…まあ、さすがに飛行機を使うのが一般的なので、飛行機を使うとすると、朝6:09東京発で羽田→出雲で飛行機を使えば亀嵩に12:38着
それでも6時間半(ちなみに、本来飛行機乗るなら空港での時間を考えて6:00より前の電車に乗った方がいい。)
さらに
作中では急行「出雲」に乗って移動しているので、それにならって「サンライズ出雲」に乗ると22:00東京発で、翌12:38
遠い(アクセスが悪い)ぞ、亀嵩…。
さて、私は(亀嵩には行ったことないけど)亀嵩の隣の横田に行ったことがある。
2年前だけど、横田から米子方面に出る道の道路事情が悪くて、山道を運転しなれない私はヒヤヒヤした。
でも、人は凄く親切だったので、なんならまた行きたいと思っている。